p57Kip2 （またはCDKN1C）は、いくつかのG1サイクリン複合体の強力なタイトバインディング阻害剤であり、細胞増殖の負の制御因子である。ヒトp57Kip2をコードする遺伝子は染色体11p 15.5に位置し、この領域は散発性癌であるウィルム腫瘍と癌症候群であるベックウィズ・ウィーデマン症候群（BWS）の両方に関与しており、癌抑制因子候補となっている。 BWSは、多数の成長異常と小児腫瘍のリスク増加を特徴とする。ウィルムス腫瘍、副腎皮質癌、横紋筋肉腫を含む数種類の小児腫瘍は、母親の11p15対立遺伝子の特異的欠損を示すことから、ゲノムインプリンティングが重要な役割を果たしていることが示唆される。この領域には、インスリン様成長因子II（IGF-II）とH19という2つのインプリンティング遺伝子も含まれており、両者とも副腎新生物に関与しているようである。