アデノウイルス初期遺伝子産物E1Aは細胞増殖の強力な刺激因子であり、過剰発現されるとTGF-βの増殖抑制効果を克服することができる。E1A領域は多機能性を持つ一連の関連タンパク質（35-46kDa）をコードし、レチノブラストーマ腫瘍抑制遺伝子産物（Rbタンパク質）と特異的複合体を形成する。E1AとE1B領域はアデノウイルスの形質転換領域を構成する。初代細胞を不死化するにはE1A領域のみの発現で十分であるが、完全な形質転換にはE1B領域の追加発現が必要である。